記憶以上に面白かった「われはロボット」

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先日 テレビで 「i,ROBOT」(アイロボット)を見まして。2度目だったんですがとても面白かったんです。それで肝心の原作はどうだったっけかな?と思いまして。もう遥か昔に読んだきりだったのですが、ちょうど手元にあった物ですから読み直してみたアイザック・アシモフ著「われはロボット」、記憶以上に面白くてですね、久しぶりに感動してしまいました。
ロボット3原則を作り出し、SF 界に新たなジャンルを作り出した古典的名作!。と言うのはわかってたんですが、実は中学生の頃に読んだきりでして、記憶はもうかなり曖昧だったのですね。久しぶりに読んだら、もう面白くて面白くて一気に読んでしまいました。そういえば昔読んだのは「わたしはロボット」と言う題だったような気がします。

一連のロボットを扱った SF 短編集となっていまして。ごく初期の作品などはおそらくシリーズとしては意識していなかっただろうと思えるのですが、後半からはシリーズ物としての体裁が整ってきて、ロボット3原則を軸にしたロジックで持って人間がロボットの起こす問題を解決して行くと言う、一種ミステリ小説のような展開で進んで行くのですが。

ミステリにも非凡な才能を持つアシモフ、ロジックの展開と、思っても見ない落とし穴にはまる人間。またそれを推理して解決して行く人間たちの描写が素晴らしいです。

ロボットの名を冠した小説ではあるけれどもユーモアたっぷりに描かれる主人公は結局人間でして、人間の描写が素晴らしいからこそ、全体として素晴らしい小説になりうるのだと思います。

最も脇役たるロボットも名脇役として描かれていて。人間の良き隣人として存在し得る事。また、あまりにも技術の進歩への依存が引き起こす問題点と恐怖。そういう事が余す事なく描かれているのはすごいとしか言いようがありません。

かの「鉄腕アトム」ですらロボット3原則に乗っ取って描かれている訳ですからそのような昔にこういう世界を描ききったアイザック・アシモフと言う作家はやはり天才の一人だったのでしょう。

この本を読むと映画「i,ROBOT」は一番最後の短編、「災厄のとき」がモチーフになっているように思うのですが、もちろん映画と言う事もあってロボットの脅威、と言う事が前面に出されていて良き隣人としてのロボットと言う存在からするとちょっとだけ残念気もしてきます。

アシモフは多作で知られていて、私はその一部を学生の頃に読んだきりになってしまっていたのですが、その本当の良さがわかるようになったのは実は最近になってからでは無いのか?、そう思い始めています。幸いにも手元に結構な数の本が(最近は読んでいない)あるので、再びその良さを楽しむためにもこれから読んで行こうと思います。

年を取っているからこそ楽しめる、そういう事が結構ある事に最近になって気付く事が多くなってきた様に思います。

われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集
価格:¥ 760(税込)
発売日:2004-08-06

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この記事を書いた人

もとメンエス店長、今は別な仕事になりました。
ぽちぽち書きます。

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