CB感 REBORN

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東本昌平(はるもとしょうへい)の「CB感 REBORN」です。遠い未来自然は破壊され、日本もアメリカも表舞台から消え去り、地球は中国のもとで徹底的に管理され、自然を取り戻しつつある。この様な管理された社会において、管理する事から逸脱した存在「バイク」は存在する事を許されない。しかしそんな中でも存在するはずの無いバイクを作り、走らせる人々がいた。

ネタバレ注意
日本人は地球から追いやられ、ラグランジュ3のスペースコロニーに居住している。旧日本人は「ヤマタイ」と呼ばれ社会の底辺へ押しやられています。そんな中15歳の若者「ジュン」が大学受験のために地球へやってきます。

始めての地球の光景に驚く「ジュン」、軌道エレベーターステーションから東京地下都市へ向かうバスの中で、存在するはずの無いバイクの走る姿を見て驚きます。

その姿に引き寄せられる様に非合法なバイクに乗る事になって行く「ジュン」。

オートバイに乗ると言う事とは?、自由とは?そういう問いを突きつけてくる。そんな漫画です。東本昌平は「キリン」と言う漫画でバイク乗りには知られているのですが。正直言ってこんなに才能のある漫画家だとは思っていませんでした。

「キリン」もとても好きな漫画で、書くと長くなるので詳細はまたの機会にしますが。「バイクとは?」、「バイク乗りとは?」と言う問いを、これでもかと突きつけてくる。そういう漫画です。

でもこの「CB感 REBORN」の様に本格的な SF を書くような作家だとは思っていなかったのです。管理される社会と不安定さ、自由を象徴するようなバイク。禁じられる乗り物に敢えて乗ると言う事。

彼の以前の作品の中で書かれた言葉「かつてバイクに乗る事は自由を叫ぶ事だった」。

正直言って現代の現実社会においては、すでにこの様な考えの人と言うのはほとんどいないだろうと思います。しかし、やっぱり私にとっても「バイク」と言うのは自由を象徴する事のひとつです。

乗っても乗らなくても良いバイクに敢えて乗る事。それこそが自由を象徴する事。昔、確かにそう考えていた事がありました。もちろん乗っては楽しい。しかし、寒さに凍え、雨に濡れ、走り続けないとバランスをとる事すらままならない。「バイク」と言うのはそういう事のある乗り物です。

バイクに乗ると言う事から、自由と言う「意味」の消えかけている現代に作者が問う。そういう漫画なのだと思います。

「ジュン」の行く末が気になっています。

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