先程、群馬県の五十嵐さんからコメントをいただきまして、私自身も883R を購入する時に現行モデルのエンジンについて調べて見た事を思い出しましてね、少し書いて見ようかと思いつきました。結構良いですよインジェクションエンジン。
数年前までは私もバイクにインジェクションエンジンを搭載する事には疑問だったのです。なぜならバイクはシンプルなのが一番と思っていたからなのです。キャブレターでも充分な性能を発揮していますしね。車じゃないんだから、そんなことを思っていたのですが。
883R を購入する時にも、心の片隅ではインジェクションに対するいくらかの抵抗があったのは確かなのです。でも実際に乗って見た感想としては、これで充分。いや、キャブレターよりも良いかもとさえ思い始めています。
それに 883 のインジェクションシステムは充分にシンプルに出来ています。少なくとも見た目は十二分にシンプルです。高圧ポンプもアッセンブリー化されて燃料タンクの中に内蔵されていますし、タンクからは燃料ホースがインジェクターに繋がっていて、それだけです。あっけないほどのシンプルさです(コックさえ無いのですから)。
残念ながら、私はキャブレターモデルの 883 に乗った事はないのです。だから直接の比較は出来ません、ごく普通の国内モデルを乗り継いできたその経験からしか言えません。
イグニッションスイッチを ON にすると、キーンと高圧ポンプの音がします。音が止まったらセルを回して始動します。いつでも始動性は良好です。当たり前ですね新しいんだから、キュンとセルが鳴るとファーストアイドルが効いて少し回転が上がったまま暖機運転に入ります。エンジンが温まってくるとだんだん回転が下がってきて、アイドリング状態になります。
案外とアイドリング状態になるのは早いですね、確かシリンダヘッド付近に温度センサーが付いていたのではなかったかと思います。オイルはまだ温まってはいないでしょう。
ゆっくり走り出すとぐずる事もなく普通に走れてしまいます。あまりに普通すぎるので充分暖機しないとって自分に言い聞かせないといけないくらいです。低速からパルス感をともなって加速して行きます。
まだ慣れていないので良くわかってない所もあるのですが、極低速の所、そこの所のトルクは充分だと感じますね、低速から中速にかけての所。そこのあいだに少しトルクの谷の様なものを感じます。が、そこから高速域にかけての吹け上がりは結構良いですね、伸びも「思ったよりは」良いです(^^)。
最近のバイクで言うと、以前試乗した事があるのと比較して見ると。W650 よりは二回りくらいパワフルで、通常域で使う分には CB750 に匹敵するか?それ以上、と感じています。ただ、HONDA の得意な高速域の緻密な伸びにはかなわないだろうと思います。
フレームは充分な剛性を感じるので、もし足回りに性能の良いものを入れて、充分なバンク角を確保出来れば相当に速いバイクができ上がるだろうと思います。ただそこまで行ってしまうと今の私には危険な領域に入ってしまうだろうと思われるので、現状に不満は無いのです。
そこまで行くような人ならば、エンジン本体(もしくはコンピュータ)に手を入れて非合法な部分に踏み込んで行かねばならないでしょう。排ガス対策等が無ければ、もっと行けるエンジンだと思います。
走行時に「インジェクション」だと言う違和感を覚える事は全然無いですね。ただ回転の仕方、トルクの出方が微妙に違うような感じのする時があって、慣らしが済んでいないからなのか、コンピュータのマッピングのせいなのかは良くわからないとこもありますが、ごく微妙な差です。
今は嬉しくてしょっちゅう走らせてやってるので、何の問題もないのですが、そんなに走れなくなったりした時、少し古くなってきたりした時。そんな時が実は問題なんだろうと思います。
長期保管時にはフロート室の燃料を抜いてやったり、再始動にてこずったり。そんなことも余裕のある時には楽しいものですが、前のバイクでさんざんてこずった今の私にはメンテナンスフリーなインジェクションシステムは案外ありがたいものです。
乗りたい時にすぐ乗れる。それはとても大事な事だと思います。自分自身に乗れなくなる言い訳を与えないためにも。