草千里という道標`

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昔、とても仕事がつらかったことがあった、とてもつらくて、仕事を辞めました。仕事を辞めて初めて自分が仕事にのめり込んでいたことを知りました。ぽっかりと開いた空白の日々。何にもない毎日。
そんなとき、ひょこっと草千里という単語が耳に入ってきました。当時はインターネットもろくにない頃。雑誌で見たのでしょうか?。九州は熊本の阿蘇に「草千里」というところがある。そこでこの夏にバイクのミーティングを開きます。

実は十年前に同じようなことがありました、十年後の今年同じようなミーティングを行います、ぜひおいでください。

というような告知であったと思います。

とても、とっても行きたかった。当時の自分にとって、それは天の声でした。はるかな九州の地に行けばそこに誰かがいて、私を待っていてくれる。同じ気持ちの誰かがそこに行けばいる。

それだけで、焦燥、怠惰、馴合いの気持ちを吹き飛ばされるような気がしました。

行くんだ、行かなくちゃ。行って見たい。

思いだけはつどれども、結局私は行けませんでした。

心のどこかに刺を引っかけたまま。時は過ぎていきました。

いつか私は草千里に行くんだ。

いつかたどり着くんだ。

そんな気持ちで、もう気がつくと10年以上過ぎていました。

とあるブログで、草千里’99の写真集が売られていると聞いたときにはとても驚きました。

今でも当時の写真集が売られているとは、おそらくはほとんど売れなかったのでしょう、開催された方。出版された方。お疲れさまでした。

商業的には成功ではなかったかもしれません。世間一般には知られるようにはならなかったかもしれません。でも私は覚えています。

あの夏のある日に、私は一人ではなかったことを。同じ日に草千里に行こうと走り続けた人がいることを。私と同じようにいけなかった人も同じようにいることも。

あの日と同じように、私は仕事に奔走しています。バイクも手放してしまいました。でもわかっています、いつか草千里にたどり着ける日が来るって言うことを。

たとえ今手元にバイクがなくても、願い続ければ叶うということを。

そして何としても叶えなければならないということも…。

思い返せば今も、当時以上の苦境の身。でも今はがんばれば何とかなるとわかっています。

いつか必ず行くぞ、草千里。

(ちょっと熱くなっちゃったかな?)。

(あーどのブログで見たかわからなくなっちゃったー、わかったら書き込みます(;_;)