やっと読み終えました、「宇宙のランデブー 3」上下巻、やはりこれまでの同シリーズと同様面白く、新たな視点での物語が提供され、かなり考えさせられる出来になっています。しかしこの「宇宙のランデブー 3」を読んで一つ確信した事があるのですが、このシリーズは始めの「宇宙のランデブー」とはまた違った物語ではあるかもしれないが、「宇宙のランデブー」なしには構築出来なかっただろうという事です。
注:ネタバレ注意
この「宇宙のランデブー 3」も主に人間に主軸を置いて書かれてはいるのですが、前回「宇宙のランデブー 2」で「RAMA」(ラーマ)に置き去りにされたままの人間達の物語で前半は展開して行きます、彼らは「RAMA」の中で暮らしてかねばならなかったのです、さらに少しずつ謎を明らかにして行く「RAMA」、前回まで推定されていたように太陽に近づくと自然に暖まり、「RAMA」に春が来るのでは無く、実はとてつもない動力を内包している事が発見され、通常の速度ではどの恒星系に着くにしろ人間の寿命の中ではたどり着けないだろうとの予想を超え、相対論的速度で航行を始める「RAMA」、ついに「RAMA」の到着点が明らかになるのです。
そこは想像をはるかに超えた知性によって作られ、運営されたさまざまの「RAMA」の巨大な中継基地だったのです。そして「RAMA」はもう一度地球に向かい3度目のランデブーを果たします。
しかし「RAMA」に招待され受け入れられた人間達は、人間の本性をあらわにして行き、ついには理性的な人々を排除し独裁的な政府を作り、他の生命体にまで危険な存在になってしまいます。
さすがにこの「宇宙のランデブー」シリーズ、大作のため、そう何度もは読んでいないせいか、細かい所は忘れている所も多く、楽しみながら再読出来ました。前回書いたようにこの「宇宙のランデブー 3」他の巻に比べると少し冗長な感じを受けます。しかし、これは大事な伏線にもなっていて、「宇宙のランデブー 4」へと続いて行くと記憶しているのですが、さすがに細かい所は忘れてしまっています。このまま楽しめるのでかえって忘れていた方が良いのです、「宇宙のランデブー 4」を読むのが楽しみになっています。
いかなる状況においても、独特な行動をする「人間」という存在、その描写が全面に出ていて、やるせないような感じを受けてしまいますが、独特の人類外のテクノロジー、あるいは生物の描写も相変わらずさえていて、その異質なイメージは相変わらず健在ですし、珍しく少し冗長に引っ張っておいて、唐突に終わるなど次巻を楽しみにさせる演出が効いています。「宇宙のランデブー 2」位までなら、途中で読み終わる事も出来るでしょうが、ここまで読んでしまったら「宇宙のランデブー 4」を読まないわけには行かないでしょう(^^ゞ。
上記に書いたように、「宇宙のランデブー」とその後のシリーズ「宇宙のランデブー2~4」は共作という事も有り少し感じが違うのですが、この物語は、初巻の「宇宙のランデブー」無しには存在出来なかったろう、という事がはっきりしてきます。これでもかというほど出てくる異質なイメージ、それはメンタリティーであったり、テクノロジーであったり、異星人の描写であったりするのですが、この一連のシリーズはさらにそれだけでは収まらず、想像力を非常に刺激してくれます。そしておそらくはこのシリーズを読んだ人の数だけその想像は広がって行くのでは無いかと思わせられます。読んだ人の数だけ違う「RAMA」があって良い、そんな気がします。
さすがにこの辺になって来ると読む事にもエネルギーを要求されるような感じがして少し疲れるのですが、なにのんびり読むとしましょう。
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