以前に実験しようと思って、弦切れのために中断していたタスクのサドルによって音が変るかどうかの実験を再開できたので覚え書き。
現在 FG-420A にはダダリオの EJ10 ブロンズワウンド 80/20 スーパーライトゲージの弦が張ってあります。アーニーボールのアースウッド ブロンズワウンド 80/20 ライトゲージによく似た音質の弦で、スーパーライトゲージにしてはかなり健闘していると感じています。
TUSQ(タスク)のパーツに換えると音が良いとは良く聞くのですが果たして本当なのか?、どんな変化があるのか EJ10 も耳に馴染んできたので、サドルを交換して試して見ました。
ちなみに今回使用したのは PQ-9201-00 と言う品番のサドルです。カタログによると厚みは 3.10mm となっているのですが、マイクロメーターにて実測 3.45mm となっています。この辺がアバウトですね(^_^;)、純正品が実測値 3.40mm となっていて微妙に違うのですが、抵抗感はありながらスムーズに装着できるので問題ないでしょう、かえって密着度か高くなり良いかも知れません。
ただ問題なのは、良く確認しない私が悪いのですが長さが純正品がノギスにての実測値約 74mm なのに対して、実測値約 71mm と 3mm 程短いのです。この分が音にどう影響があるかは不明です。この分の質量の分だけ軽くなり、厳密に言えば音が変るかも知れません。
高さはずいぶんと削り込んだ純正サドルよりも少しだけ高くしました。万が一低くしすぎると後で修正が利きませんからね、高めにしておけば後からまた削れるけど。装着した状態で6弦12フレットで 0.5mm 程弦高が上がり、3.5mm 程になっています。
弦自体もある程度馴染んできてますが、へたり切らないほど。交換までにはもう少しあるかな?、と言う所です。おんなじ弦じゃないと音の変化が分からないので、弦を緩めて1フレットにカポをかけて外れないようにし、ブリッジ側からピンを抜いて弦を外してしまいサドルを交換しました。
ところで肝心の音の変化なのですが、私の耳にはほんの少しの変化としてしか感じられませんでした。そこの所を敢えて書いて見ます。
交換して始めに感じたのは音質が少し硬く感じた事です。中音域の高音側、ノイズにならない程度の部分が強く出ていると感じます。ある範囲の倍音成分は豊かに出ていますが、雑味はかえって少なくなっているようです。
サスティーンは良くなっているようです。が、箱鳴りが押さえられるほどではありません。ただ弦高が少し上がっているためにテンションもいくらか強くなっている感じがするので、その影響もあるかも知れません。
FG の場合前オーナーが弾き込んだせいもあるかと思うんですが鳴り過ぎる嫌いがあるので、雑味が少なくなるのは良い傾向かと思います。特に超高音域での鳴りが強いのでそこの少し下辺りでの鳴りが強調されるのは良いと思います。
ただ全体として見ればわずかな音質の変化であり、サドル単体としてはこんな物では無いでしょうか?、ナットまでセットで交換すればもう少し変化が強調されるような気がします。でも面倒くさそうですね。
また見た目も純正の真っ白とは違い(象牙は見た事が無いですが)すこし黄色みがかって牛骨のような感じなので見た目にも落ち着いた感じで良いかも知れません。製品のままでは無く少し研磨してやると表面の色合の違いははっきりしてくるようです。
全長が少し短かったのを気にして TUSQ のブランクサドル PQ-9000-00 (長さ 76.72mm 厚さ 3.16mm カタログ値)も用意しているのでこれを削り出してぴっちりした物を制作しようとも思っているのですがもう少しこのまま弾いて見ようと思っています。
音の傾向からすると、エレアコの APX-6 の方が合いそうな気がするのですが、エレアコだけあってサドル下にピエゾピックアップが装着されているものと思われ、そのせいかどうか分割式のサドルになっているので今度弦交換する時に確認して見ようと思っています。
アコースティックギターのパーツとしては値段も手ごろなので(700円ちょっと)試しに交換して見るには気軽に試せるのでは無いでしょうか?、気に入らなければ元に戻せばいいですし、ギター本体には手を入れる訳でも無いですしね。
まあちょっとしたいたずらのような物でした。
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