いわゆる軌道エレベーターの現実を書いた本でして、私が実際に軌道エレベーターの事を知ったのは、A.C.クラーク氏の「楽園の泉」だったのですが、絵空事だったものが材料工学等の進歩で実現可能な時期がもうすぐそこまで近づいているのだそうです。
「楽園の泉」はまあ SF と言う事もありかなりダイナミックに書かれていますが、現実はもっとシンプルな感じになるらしく驚きましたね。
ここ2,30年のうちには実現可能だ、と書かれていたのにはカルチャーショックを覚えましたね。何で作るのかと言うと、カーボンナノチューブなのだそうで、カーボンナノチューブの話は良く聞くけれど、こういう事に使えるものだとは思っても見なかったので、意外でした。
しかも軌道エレベーターと言う感じでは無くて、カーボンナノチューブで出来たひものようなものを登って行くようになるんだそうで、これまた意外でした。
だいたいが、軌道エレベーターの「実現」に向けて本気で研究している人がいるってことにも驚いたのですけれどね。既存の技術でもってほとんどの部分は実現可能なのだそうです。残っているのは高強度のカーボンナノチューブの量産態勢だけなのだそうで、費用的にも充分実現可能で、今のこの世の中へたをすると個人でさえ費用を持つ事も可能な人がけっこういるらしいと言うのでさらに驚きました。
宇宙エレベーターの経済性と言う事でも、かなり突っ込んだ考えが示されていて、何よりもロケットに比べて圧倒的に低コストで宇宙旅行が実現出来るらしいです。
「いつの日にか」実現するかも知れない、そういう話だったものが本書を読んで見て、私でさえもしかすると生きているうちに宇宙旅行が出来るようになるのかも知れない。
そんな気になってしまいました。
「楽園の泉」がもう一度読みたい…です。
宇宙旅行はエレベーターで 価格:¥ 1,890(税込) 発売日:2008-04-23 |
楽園の泉 (ハヤカワ文庫SF) 価格:¥ 903(税込) 発売日:2006-01 |
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