う~ん、今日は DOS の話なのですが、おそらく今では DOS とは何か知らない人も多いと思いますのでつまらない方は勘弁してください。
以前 Windows を使っていた時も、テキストファイル処理には DOS 窓で Vz エディターを使っていました。今の iBook G4 を会社で使う直前まで(つい最近です)、会社では 98 NOTE でDOS を使って仕事をしていました。
それは NEC の PC-9821 Nd と言う奴で、壊れてしまったEPSON の PC-486NAS のかわりに、中古で購入したものでした。9821とは言ってもDOS上からは480ラインが使えなく、ごく普通のいわゆる「98 NOTE」です。
最終的には、NEC の MS-DOS v5.0A を OS として使い、エディターとして Vz を使い、ごく普通の事務処理には MS-Works v3.1 を、どうしても高品位な印字が必要な時には、JG v3.0 を使用しておりました。ファイル管理には懐かしさもあってオリジナル「fd 98」を使い、すっかり昔の環境にして使っておりました(作者のA.Ideiさんこと出射 厚さんはすでに亡くなられているようです、ご冥福をお祈りします、私が今でもコンピュータを使って楽しめるのもあなたのおかげです)。
事実上現在程度の書類作成には MS-Works v3.1 で十分だったのです。なぜiBook に移行してしまったかと言うと、またまた PC-9821 Nd が壊れてブートできなくなってしまったからなのでした(T_T)。
それまでの DOS 上の環境を支えていたのは Vz エディターだったのでした。 Vz エディターは c.mos さんが開発されヴィレッジセンターより発売されていた。OS 上に常駐する事が出来る、珍しいタイプのエディターでそのおかげで、あの何もない A:> としか出ていない、殺風景なプロンプト画面上で ESC (エスケープ)キーを押すだけで、瞬間的にエディターが立ち上がるのです。さらにもともとアセンブラと言う言語で開発されていて、サイズが小さいのに、さらに通常は使わない領域のメモリアドレスの隙間に置いておく事ができ、メインメモリを圧迫する事がほとんど無かったのです。ちなみに当時の DOS はメインメモリが 1.6M byte しか使えなく、メインメモリをなるべく多く確保するには爪に灯をともすようなちょっとした努力の積み重ねが大事だったのです。なぜそんなことをしたかと言うと、あくまでもメインメモリはメインメモリ、メインメモリが少ないと、編集する文章のサイズに制限を受けたり、ひどい時にはアプリケーションを立ち上げる事すら出来なくなる事が有ったのです。
そんな中で非常に小さいサイズで、しかも常駐させているにもかかわらずメインメモリを圧迫する事がほとんどないエディターは非常に便利だったのです。
しかも常駐している事で、貧弱な shell とも言える command.com の機能を Vz が補填して機能を増強してくれたので、普通のコマンドライン作業も非常に便利になったのです。
そうです、私は Vz エディターを愛していたのです、一番始めに店頭で購入したアプリケーションは Vz でしたし、ショートカットキーの便利さを知ったのも Vz でした。だいたい始めに購入した時に「エディター」とはなにか?と言う事も満足に知らなかったのでした。
しかし、それなりに面倒くさかったのも事実です。始めは単なるエディターとして。そのうち面倒くさくなって、普通のワープロを使って見たり、少し経つとまた使い始め新しい使い方を覚えたり、そのうちにいろんなマクロを使うようになって(Vz には強力なマクロがあったのです)いつの間にか、手になじんでくると、手放せなくなってしまいました。
上の写真は今回引っ越しのため、引っ張り出してきた Vz のマニュアルです。右の方が最終版の v1.6 のものです、始めこそほとんど見ませんでしたが、本格的に使い始めると、ほとんど隅から隅まで読みあさりました。下の写真は当時使っていた日本語フロントエンドプロセッサ WX2+ のものです。
マニュアルにも書いてありますが、エディターと言うのはストレスを感じる事なく動作し、何も考えなくても指が操作を覚えられるよう、なるべく文章、プログラムのソースファイルなどを楽に書けるようなものでなくてはいけないと私も考えます。まさしくその通りのエディターだったのです。
ファイル管理ソフトには「fd 98」を使っていたとも書きましたが、Vz は自前でもファイル管理ソフトも内蔵していてそれこそワンタッチで起動するので、非常に便利でした。当時はファイル管理ソフトとして fd が圧倒的に人気でしたが、Vz のファイラーからも、fd が起動できるようになっており、懐の広さを感じたものでした。
そういえば Vz はオープンソースだったのです!!。今でこそオープンソースが隆盛ですが、当時としては画期的でした。作者の c.mos さんも、「ソースを自由にいじって好きなように作り直して構わない」と言っていたように思います。まあ、アセンブラで書かれているので、普通の人にはめったにいじれない、と言う事はあったかもしれませんが。
マクロも非常に便利なもので、文章成形から、アーカイブ内の検索、簡易ワープロ、ゲーム(テトリス)、ランチャー、マクロ自身のランチャー、検索、置換、PIM、データベースとありとあらゆるものがそろっておりました。この頃は、NIFTY SERVE と言う「パソコン通信」と呼ばれるもの(当時インターネットはなかったか、一般人には手が届かなかった)の中の会議室でいろんなマクロが生まれて行きました。普通の方々が自分の欲しいマクロを公開し、それを他の人たちがインプレッションしたりアドバイスしたりしていました。
NIFTY SERVE のヴィレッジセンターの会議室で最終版の v1.6 の開発の場面に運良く遭遇できたのですが、c.mos さんが怒濤のようにバージョンアップして行くのをかたずを呑むように見ていました。非常にラッキーな体験だったと思います。
今では iBook G4 をすっかり気に入っており、おそらく DOS に戻る事はないかと思われますが、当時の環境を保存したいと言う気持ちもあり、もう一度位は PC-98 を入手するかもしれません。
ただ今は Vz エディターを懐かしみ、当時のような快適なエディターを探しています。今日は Jedit X を試用して書いて見ました。
コメント
コメント一覧 (2件)
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VZエディターライクなエディターを探してたどり着きました。
自分も98DOS3・・でVZを使っていました。
とっても懐かしく読ませていただきました。
初めて買ったHDは12Mで10万円でした^^
いいエディター探してます。
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tok さんおはようございます。
コメントありがとうございます。
vz 良いですね。今ではスタンドアローンなエディターとしては、Mac なこともあり。Jedit X を常用しています。まあ良いエディターだとは思います。ただ巨大化した今となっては少し重いですね。vz はあの貧弱な環境でも瞬時に立ち上がってきましたし、動作も「非常に」軽快でしたからね。
現在においては、残念なことにテキスト処理に特化した軽快なエディターというものは。ほとんど無くなってきているかのようです。特に日本語処理ということで考えると皆無といっても良いのではないでしょうか。
いっそのこと、Vi にしようかとも考えたりしています。インプットメソッドの影響も無視できませんがね、高機能になるあまり軽快な入力を阻害するようでは考えものだなあと思う今日この頃…。