先日のエントリーを書いたら思い出したのですが。私は宮崎駿さんの作品が大好きなのです。一番始めに私が意識したのは「風の谷のナウシカ」コミック版でした。その後オリジナルアニメーションを次々とヒットさせて行く訳ですが。今まで好きだったアニメでも宮崎さんの手がけた物がたくさんある、と知ったのは、結構後になってからでした。
ただ、一つだけ宮崎さんの作品で不満な所があるんです。
それは物語の終わらせ方、です。「風の谷のナウシカ」コミック版然り、最近ですと、「もののけ姫」、「千と千尋」もそうですが、物語の終わらせ方が、何となくすっきりしないのです。まあ、私は以前のエントリーでも書いた事がありますが、私は徹底的にハッピーエンド大好き派なのです、実生活でもとてもつらい事はたくさんあるので、小説、映画くらいはハッピーエンドに終わらせて欲しい。と思うのがその理由の一つなのですが。
では宮崎さんの作品は悲しいのかと言えば、そういう訳ではありませんが、なぜだか中途半端に感じてしますのです、物語がどんどん膨らんで行く時は良いのですが、最後になって終わらせる時に、何か中途半端な部分を感じてしまうのです。
ひとつには、「風の谷のナウシカ」コミック版、の場合は、終わらせ方に対してそれほどの制約は無かったのではないかと思うので、宮崎駿さん自身が終わらせ方に対して困ってしまったのではないのか?、と言う疑問があります。
物語は時に書いている人の思った以上に、膨らんでしまう場合があります。「風の谷のナウシカ」コミック版の場合、宮崎さんは物語を収束させようとして、とても苦労したのではないでしょうか?、それともああいう終わらせ方こそ、宮崎さんの持ち味なのでしょうか?
同じような終わり方をする物に、「もののけ姫」があります。最後に喜んでいいのか、悲しんでいいのか、途方に暮れてしまうような終わり方です。
一連の劇場版アニメーションで一番好きなのは、「となりのトトロ」です。始めから最後まで同じトーンで物語は進み、最後もその余韻を持ったまま終わります。もう一つ終わり方が好きなのは、「天空の城ラピュタ」です。希望を残した終わり方は好感が持てます。
もう一つ「紅の豚」は内容、演出はとても好きなのですが(飛ぶ物が好き(^^)と言う私の嗜好にもぴったりはまります)、やはり終わり方に中途半端な物を感じます。
一連の劇場版アニメーションに関しては、宮崎駿のみの作品と言う訳ではないでしょうから、宮崎さん一人の問題ではないのかもしれませんが。営業上の制約でもあるのかなー、と思ったり、世界をターゲットにするとああいう演出が日本的でウケるのかなあと思ったり、何となく腑に落ちないのです。
しかしコミック版「風の谷のナウシカ」は、ほとんど宮崎駿オリジナルと言っても良いかと思うので、そういった事を考えると、やはり宮崎さんの何か考え方が反映されているのでしょう。最後まで物語に没頭したいのに、最後の最後で現実を見せつけられるようで、少し残念な感じがします。
物語の終わり方。と言うのはとても大事だと思うのですが、やはり何となく腑に落ちない物を感じてしまうのは私だけでしょうか?。
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