ニワトリ号一番のり

Img051_1

先日のエントリーで書き込みした「海皇紀」の所に書いた「にわとり号一番のり」、snowdrop さんに教えていただきまして実は「ニワトリ号一番のり」と言う名前だったと言うことで、なるほどこういう勘違いでも検索には影響してしまうんだ、と言う事を改めて感じてしまいました。先日思い出したら、読みたくなってしまいまして、購入してしまいました。

この作者は「J・メイスフィールド」と言う方で詩人で有名な方のようですね、これもまた全然知りませんでした、何しろ初めて読んだのは、小学生か中学生の頃、いつだったかも憶えていないくらいなのです。

ネタバレ注意
何十年かぶりで手に取った本書は、記憶にあるよりも少し小振りな感じで、もっと大きいかと思っていました。まあ子供の頃に読んだきりですのでそう記憶していたのでしょう。それに意外と言うか忘れていたと言うか、このシリーズは「福音館古典童話シリーズ」と言う事になっていて、なるほどこれは「童話」という位置づけなのかと改めて認識してしまいました。今回読み直して見て、これは「童話」と言っても、今の私が読んでも十分以上面白い本で、帆船の魅力を十分に堪能できる名作である事は間違いないようです。

さてこの本は、チャイナクリッパーと呼ばれる高速貨物帆船が中国からイギリスまでお茶を一番早く届けるレースの事を書いた本なのですが、事故に遭った帆船に乗っていた乗組員達が、事故で半分になりながら、ボートで脱出し、船長の精神的問題から遺棄されてしまった、チャイナクリッパー「ニワトリ号」を見つけて、残されたレースを戦い、優勝してしまう。と言う物語なのですが、先日の「海皇紀」のエントリーを書いた時にどうしてこの本を思い出したのか、自分でも不思議だったのですが、それはおそらく帆船にはとても大切な「風」の描写が、どちらも生き生きと描かれているからでは無いでしょうか?。

「海皇紀」ではやはり海上交通の要として帆船が描かれていますし、主人公の「ファン・ガンマ・ビゼン」が「風」の様なとらえどころの無い男として描かれています。一方本書「ニワトリ号一番のり」はおそらくは帆船の最盛期にあったと思われる、チャイナクリッパーの船員達の事、操船の事が詳しく描写されています。私は残念ながらこの頃の事に詳しくないので自信は無いのですが、時代的にはこの後汽船(蒸気動力船)が主流になった事を考えると、この時代のチャイナクリッパーと言うのはまさしく、当時の帆船の最先端たる物だったのでは無いでしょうか?

チャイナクリッパーはこの本を読むと分かる通り、お茶を運ぶ貨物船としての役割がある訳ですが、高速帆船として、さまざまなタイプが造船され、就航していたと思われます。このような帆船の航海に一度でいいから乗って見たい物です。今では一般旅客用のこのような船は無いのだろうと思うのですが、このような船で時間を気にせず、風任せで旅を出来たら凄いぜいたくでは無いでしょうか?、私にとっては今の豪華客船でのクルーズ、等と言うよりずっと魅力的だと思うのですけど。

ニワトリ号一番のり
価格:¥ 2,205(税込)
発売日:1967-01

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

もとメンエス店長、今は別な仕事になりました。
ぽちぽち書きます。

コメント

コメントする

目次