アーサー・C・クラークの宇宙のランデブーです、いわゆるファーストコンタクト物としては全く異質の文明に対した時にどういう事が起こるのか?と言う点で非常に興味深い視点をもたらした本といえるのでは無いのでしょうか。
比較的近未来において、いん石落下による被害を受けた地球は「スペースガード計画」を発動させ、宇宙の小惑星、飛翔物体等を監視する衛星を作った。が、ある日探知された物体は小惑星では無く異質な人工物だった。
この作品の肝は「ラーマ」と名付けられた、人類外知性体によって作られた巨大な宇宙船の全く異質な人工物の描写にある、と思います。全く違ったメンタリティーを持つ異星人とのファーストコンタクトとはどんな物になりうるのか?というテーゼを投げ掛けた。と言う点でこの作品は衝撃的だったのだと思います。論理的な知性体であるがゆえに(そうでなければ巨大な宇宙船は作れないでしょう)理解できる部分と全く違ったメンタリティーによって支配される世界の全く異質な世界。
何かに似ているけれども、それは地球とは全く違った物になるうる可能性、理解できない巨大な宇宙船は何のために作られ、何のために太陽系に接近しどこへ去って行くのか、何から何まで謎のまま終わってしまうこの小説、SF ファンへ投げ掛けられたある種のメッセージ、と受け取る事も可能かと思います。
しかし、「こちら側」が人間である以上、人間としての反応、倫理感が状況を左右してしまう事もあり得る状況。
この作品はまるでなぞなぞのような、とにかく何も分からないまま始まり、謎を残したまま、終わってしまうとんでもない本といえるでしょう。しかし最後の最後に作者により残された言葉
「ラーマ人は何事も、三つ一組にしないと気がすまない。」
この言葉に希望を持って待ち続けた人は多いでしょう、そして期待を裏切らずアーサー・C・クラークは続編を発表してくれるのです。
そして物語は壮大な宇宙叙事詩へと向かって行くのです。
宇宙のランデヴー 価格:¥ 672(税込) 発売日:1985-09 |
宇宙のランデヴー2〈上〉 価格:¥ 714(税込) 発売日:1994-12 |
宇宙のランデヴー2〈下〉 価格:¥ 672(税込) 発売日:1994-12 |
宇宙のランデヴー3〈上〉 価格:¥ 672(税込) 発売日:1996-09 |
宇宙のランデヴー3〈下〉 価格:¥ 714(税込) 発売日:1996-09 |
宇宙のランデヴー〈4 上〉 価格:¥ 840(税込) 発売日:1997-03 |
宇宙のランデヴー〈4 下〉 価格:¥ 775(税込) 発売日:1997-03 |
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