一般に Fender USA の塗装はニトロセルロースラッカーで塗膜が薄いと言われているようですが、私の持っている ’97 製と思われるヴィンテージシリーズの’57 ストラトキャスターは結構塗膜が厚い。
だからといって気に入らないとか、音が悪いとか言ってるんでは無いですが、一例と言う事で。
購入した時にこれはラッカー塗装だから気をつけてね、と言われた記憶はある。でも本当にラッカー塗装かどうかは私が見た限りでは分からない。ウレタン塗装よりはラッカー塗装の方がコンディションに敏感と思われるので、まあラッカーだと思っているに越した事は無いだろうと、その程度に今まで思ってきた。スタンドやネックハンガーにも気を使ってきた。
ちなみに上の写真はボディー裏のカバー取り付けネジ部の物だ、皿もみ加工されているために塗膜の厚みが良くわかる、良ーく見ると塗膜の下の方にシーラーらしき物まで確認できる。
さらにこの写真、ボディー裏のトレモロスプリングキャビティーだが光の反射具合を見ても結構塗膜が厚そうな事が伺える写真となっている。
ちなみに Fender JAPAN のテレキャスターはウレタン塗装と思われるのですが、塗膜自体はストラトよりも遥かに薄く見える。それだけじゃ無く塗膜自体の硬度も高いような気がする。
以前にも書いたが私は左手のフォームに癖があり、良く指板面に爪を当てるのだが、テレキャスターの方は弾き込んだ事もありすでに一部指板の塗装が剥離してきている。塗膜が薄くて硬い事の弊害とも言える物だが、手放すつもりは無いのでこれはこれで愛着の湧く要因となっている。
一方すとらとの方だが、あんまり弾き込んでいなかったので、最近は意識してストラトばかり弾いているのだが爪の跡はつくが剥離するまでには至っていない。最もストラトの場合、ボディーの塗装とネックの塗装は少し違うように感じる。テレキャスターはあんまり差を感じないのだが、ストラトの場合さすがにネックの塗装の方が塗膜が薄いようである。
ボディーとおんなじ塗膜ではさすがにまずかろう。ネックの手触りも明らかに違う。比較的すっきりした手触りのテレキャスターに対して、少し粘っこい印象を受けるのがすとらとのネック。でもしばらく弾き込んできて手に汗が浮くくらいになると良い感触になってくるのでこれが悪いとも言えない。
肝心の音だが、リフィニッシュでもしない限り同一個体でその差を確認する事は不可能だが、そこまでやる気は無い。もったいないし、今のストラトには十分満足している。
確かに鳴りが悪い感じはするが一番の要因はピックアップでは無いかと疑っている。ビンテージシリーズのモデルであるためにわざと鳴りを押さえたピックアップでは無いかと思っているのだ。さらにはもったいなく感じてあまり弾き込んでいなかった事が上げられる。
テレキャスターは購入と同時に毎日弾き始め１ヶ月くらいで激しい音の変化を経験している、それも良い方向への変化であったため余計に愛着が湧き、さらに弾き込む事に繋がってしまった。
反対に言えばストラトを弾く機会がさらに減ってしまったと言う事だ。さすがにもったいないので復活後は意識してテレキャスターを弾く事を控え、ストラトばかり弾くようにしている。
それでもテレキャスターのような激しい音質の変化を感じた事は残念ながらまだ無い。
新品で購入したギターは基本ポリシーとしてコンポーネンツを交換する事はしないのだが、ストラトに限ってはお試しでピックアップをテキサススペシャルに交換する事も考えている。
確か記憶によるとストラトに装着すると高音域が強調され耳に痛い、とか言われていたと記憶しているのだが、一方テレキャスターには標準でテキサススペシャル PU が装着されていてかなりの好印象なのだ。
現代のピックアップらしく、バンドアンサンブルに埋もれる事が無い、エフェクターの乗りが良いなどと感じている。
まあ、それぞれのギターであるので個性と言ってしまえばそれまで、と言う気もする。シチュエーションに合わなければ合うようなシチュエーションで使えば済む事だ。
塗膜の話が、エレキギターの音一般の話になってしまった。個人的には今のストラトの塗装に不満は無い、かえってボディープロテクションに優れていて良いと感じている。
最近はシンラッカー仕上げとして極薄塗装が流行りのようだが、あれだけの値段につり合う物かは疑問だ。まあ今からそれなりのグレードの楽器を購入するのは資金的にも辛いので、今あるストラトを大事に弾いてやろうと思う。
P.S.仕上げ自体は JAPAN の方が良いように感じているが、木材の質自体は USA の方が良いと感じている。まあ、いずれも個性のある言い楽器だと思っているので、これからも末長く弾いて行ってやりたいと思っている。
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