実を言うとこのシリーズの感想を書くのはかなり難しいのです。一言で言えば「面白い」の一言で済むのですが、それではあんまりなので…。
瀕死の所を助けられた「バロット」焼けてしまった表皮の代わりに電子的干渉能力を持つ金属繊維を移植して蘇った彼女、自分を殺そうと思った男から身を守るために、男の秘密の証拠を握るために、彼の経営するカジノへ乗り込んで行きます。
相棒は命を助けてくれた「ドクター」と「ウフコック」。今回はのっけからハイライトでもあるカジノ、ブラックジャックのシーンから始まります。
相変わらず数字の羅列から始まるカジノのシーン、単に数字の羅列なら面白くも何ともない所ですが、作者はここに巧妙に人物描写、性格描写を織り交ぜて、人間対人間の「闘い」を演出します。
それがつまらないものになりがちな数字の羅列に息を吹き込む事になるのです。生々しいとさえ言えるような息を飲むシーンの連続。
何より主人公の新しい能力を持ちながら闘いながら成長して行く所は魅力にあふれています。
強いて言えば後半のアクションシーンとのハイライトがもう少しつながりが良くなっているともっと良かったでしょうか?。
それでも名作ではあると思います。次の作品を読むのが楽しみです。もうすでに次作が刊行されているので、待つ事も無いですね、「マルドゥック・スクランブル」の余韻が収まったら読もうと思っています。
そういえば Amazon にはしてやられました。「冲方 丁 」氏の作品を検索してたらこんなのを見つけてしまいました。
「冲方式ストーリー創作塾」、何となく面白そうだったんで注文してたんですが、昨日届きました。まだ読んでませんが、今週末のお楽しみにしましょう。
マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 (ハヤカワ文庫JA) 価格:¥ 714(税込) 発売日:2003-06 |
マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 (ハヤカワ文庫JA) 価格:¥ 693(税込) 発売日:2003-05 |
マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 (ハヤカワ文庫JA) 価格:¥ 756(税込) 発売日:2003-07 |
冲方式ストーリー創作塾 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2005-06-02 |
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