田村です。
GPL のこと
ここ数日 GPL ライセンスのことについて考えていました。なぜかというと WordPress はGPL (GNU 一般公衆利用許諾書)を採用しているからです。
例えば、普通販売しているソフトウェアを購入すると、使用許諾があって購入した者以外は使用してはならないとか、譲渡を禁じる。と書いてあるのが普通です。ですが、GPL はそれとは逆方向、つまり利用の自由、再頒布の自由、改変の自由、改変されたものの再配布の自由を担保しているからです。
販売を禁じているわけではなく、自由に販売してもいい、値段はいくらでもいい。ということになっています。
現代の世知辛い世の中では、それでは GPL で配布されているソフトウェアを入手して自分独自の改良を加え(あるいは加えなくとも)販売すれば良いじゃないか?。と思うことがあるかもしれませんが、それさえも自由なのです。それでは初めにソフトウェアを作った人は損してしまうのか?。
GPL と商売(お金)のこと
なぜこのような、ライセンスが存在するのか?。それは自由を担保することによって、人々の生活に幸せをもたらすためだ。とその考えついた本人(リチャード・ストールマン)は言っていますし、現実に WordPress 界隈は大変な賑わいを呈しています、その周辺部ではたくさんの人たちが、商売をしてお金を稼いでいます。
さらに GPL を採用した最大のプロダクツはおそらく”Linux”でその規模は大変なものになっています。つまり”商売”になっているということです。
残念ながら僕はコンピュータをいじることにブランクがあって、なぜ今日 WordPress がこのようにシェアを広げているのかその大事なところを知らないのですが。ブランク前はWordPress は名前は聞いたことがありましたが、いわゆる CMS としては MovableType が興盛を誇っていたような記憶があります。
ですから現代において GPL を採用した WordPress がこのように普及しているのを見てとても不思議な気持ちです。
100% GPL テーマのこと
最近僕はワードプレスのテーマにブロックエディター対応のものを使い始めました。当初は知らなかったのですが、最近ブロックエディター対応について調べ始めたところ魅力的なテーマがたくさんあります。Arkhe、SWELL、yStandard、などなど。Snow Monkey などは有名どころなのでしょうか?。
そしてこれらには 100% GPL ライセンスのものがとても多いのですよね、不思議です。その辺には何か理由があるのでしょうか?。僕は以前から TCD 製のテーマを使用していました。はっきりとした記載は見つけられませんでしたが、今回 GPL のことを調べる段階で、TCD 製のテーマはスプリットライセンスでコアの PHP 部分はGPL だがそれ以外の部分は独自のライセンスを採用しているので、自由な再配布はできないのだ。
ということらしいです。色々読み進む上で WordPress 本体としては 100% GPL
ライセンスを支持していて、100% GPL ライセンスのテーマ、プラグインを使うことが望ましい。という方針なのも”今回”初めて知りました。
GPL ライセンスについては昔から知っていて、リチャード・ストールマンに関しても色々調べた時期もあります。GPL に関しては理解できるところも、理解できないところもありますが、総じて好ましいものだと思っています。その僕にしてからが、最近になって WordPress とGPL というものの関わりをやっと気にし始めるという感じです。
BSD ライセンスと GPL
僕は昔一時期 FreeBSD にはまっていた時があります。BSD ライセンス(修正 BSD ライセンスというべきか)も同じく自由を目的としたライセンスですが、不自由を選ぶことさえ自由だ。というものだと理解しています。対して GPL は自由に強制力を持たせたもの、と言えるかもしれません。
以前は、プロダクツの一部に GPL を採用することを GPL 汚染、とか言って嫌う風潮もあったようですが、最近はどうなのでしょうか?。ライセンスの問題は簡単ではなく、色々些細な場面でどうなるかを全て考慮するのは難しいのだと思います。
Linux や WordPress がこれだけ流行っているところを見ると、それなりに上手くやっていけるようになった。ということなのでしょうか?。僕のイメージでは BSD ライセンスは全てにおいて自由、なのに対して GPL は自由であることに覚悟もいるのだ。というような雰囲気がしています。
閑話休題
TCD テーマと、ブロックエディター対応のテーマ
従来の TCD のようなテーマと、最近のブロックエディター対応のテーマでは明確な違いがあります。TCD 製のテーマは初めにある程度のデザインが決まっていて、それに沿って作っていけば、誰にでも同様の綺麗でカッコいいサイトができるようになっています。テンプレート的といえるかもしれません。
それに対してブロックエディター対応のテーマは、自由さ表現力などでは TCD のテーマを遥かに凌ぐものの、誰にでもカッコいいサイトが作れるかというと、少し疑問です。自由度が大きいために、ある程度デザインの素養がなければ、ただのカッコ悪いサイトになってしまう恐れもある。ような気がします。
つまりどちらもその性格が違う、のだと言えるのかもしれません。
TCD もクラシックエディターで、ブロックエディターに近い機能を搭載するために、ページビルダーや、コンテンツビルダーなどの機能を独自に搭載していましたが、ブロックエディター対応が進んだ WordPress のアップデートによって、逆にその機能の一部が制限される(ページビルダー)など、皮肉な結果になっています。
TCD などがこれ以降どのような方針を取るのか?、非常に興味深いことですが。その機能においても、その性格においても(ライセンスも)より自由な、GPL ライセンスを採用した、ブロックエディター対応のテーマたちが、これからどのくらい健闘するのかとても楽しみです。
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