海底二万里

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ジュール・ヴェルヌの海底二万里です、古典的名作と言えば良いでしょうか?、確か初めて読んだのは福音館書店版の「海底二万海里」だったように記憶しているのですが、場合によっては「海底二万マイル」と言う題の物もあるようですね、これは文庫版の東京創元社の物ですが、初めて中学生の頃に読んだ、福音館書店ハードカバー版のものに訳文、挿絵ともに相当近い雰囲気を感じました。
えてしてこの手の本は訳や挿絵によって雰囲気が大きく変わる物なのですが、これは初めて読んだ時の雰囲気に相当近い物があるように思います。そもそもこの本は SF 小説の元祖的な言い方をされる事が多いようですが、はたして当時ジュール・ヴェルヌがこれを SF 小説として書いたかどうかは少し疑問です、空想小説として書かれた物が結果として後世 SF として評価されているのだと思います。しかし当時空想として書かれたものとしては、緻密な描写、構成等により、当時存在していなかった物をあたかも現実の物として感じさせるようなこの小説は、SF として捉えようとそうでなかろうと素晴らしい物である事は間違いの無い所でしょう。

作中に出てくる潜水艦の艦長「ネモ艦長」はその後確か「神秘の島」と言う本でまた登場してくると記憶しているのですが、他にも有名な物としては「月世界へ行く」(邦題はいろいろあるようですが)、最近映画化されて記憶にも新しいのですが「80日間世界一周」などがあり、いずれも現在読んで見ても色あせない物語である事は素晴らしい事であると思います。

今でこそ私もこの本はいわゆる「SF」の範疇に入るものとして捉えているのですが、初めて読んだ時には単純に「面白い小説」として読んでいたように思います。当時は電気を動力として動く鋼鉄製の潜水艦などは、まさしく空想の世界だったのでしょうが、現在では当たり前の事になってしまっているからです。実際現在の潜水艦も原子力潜水艦は除いて、浮上航行中はディーゼルエンジンでバッテリーに充電しながら航行し、潜水時は電気によって航行するのが普通だと思います。そういった観点からすると、現在読んで見てもおかしい所の無い想像力と言うのは凄い物だと思います。

さすがに「月世界へ行く」等では宇宙旅行の為の乗り物として、ロケットではなく、大型の砲弾を大砲で撃ち出す、と言う物なので、さすがに今としては現実の物としては捉えられないのですが、作中では後方に物質を打ち出す反動を利用する事などが書かれており、もうちょっとだったなあと少し残念に思ってしまいます。

私は子供の頃から、荒唐無稽な事を想像するのが好きだった物ですから、嗜好が SF 小説に傾いてしまうのは自然な事だったのかもしれませんが、こういった良質の小説にふんだんに触れていたと言う事もそれを助長していたのだと思います。

海底二万里 (東京創元社 文庫版)

海底二万海里 (福音館書店)

神秘の島 (上) (福音館書店)

神秘の島 (下) (福音館書店)

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この記事を書いた人

もとメンエス店長、今は別な仕事になりました。
ぽちぽち書きます。

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