宮崎駿さんの「シュナの旅」です、先日 Amazon で宮崎駿さん関係を検索していたら見つけてしまい、面白そうなので購入してしまいました。表紙を見て「ナウシカ?」とか思ってしまうのは私だけでは無いはず。
チベットの民話を元にしたと後書きで書かれていますが、残念ながら私はそのお話しを読んでいないのでどこからどこまでが宮崎さんの作った物なのかは判断できません。
でも全体に流れる独特の語り口、不思議な世界観はまさしく宮崎さん独特の物、全部がカラー頁でどちらかと言うと「絵本」の様な造りですね、これは文庫版なのですが出来るなら大判で読みたかった本です。
でも見る限り今は大判の物は無いようですね、残念です。これはハードカバーの大判にして、見開きでバーンと絵を見せるとすごく引き立つと思うのですけどね。
肝心の内容は民話を元にした、と言うだけあってちょっと神秘的なお話です。ある小さな貧しい国の王子が倒れた旅人から聞いた穀物の種を求めて遥か彼方へ旅する物語です、ちょっと悲しくて、ちょっと怖い。そしてつらいこともあるけれども、かすかな希望が最後に心に残る。そんなお話です。
宮崎さんはこういう話、そしてそれに合った独特の画、こういう所が魅力なのだと思います。「ナウシカ」程じゃなくてもいいから、こういう短編をもう少し書いてくれたらいいのに、そう思ってしまうような、小さくて心に残る本のように思います。
大作のアニメーション映画で有名な「宮崎駿さん」、でもあんまりヒットする事ばかり期待されて、実は辛いんじゃないでしょうか?、ヒットする事が当たり前のように言われてしまうとほんとうに書きたい物が描けなくなってしまう、そんな心配をしてしまいます。
ところで、このほんの元になったチベットの民話「犬になった王子」と言うんだそうですが、この題名じゃなかなかヒットしないのですね、じつは「白いりゅう 黒いりゅう」(岩波書店)と言う本に収録されているようです、読みたくなってさっそく注文を入れてしまいました。
シュナの旅 価格:¥ 470(税込) 発売日:1983-06 |
白いりゅう黒いりゅう―中国のたのしいお話 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2000 |
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