この前も書いた風より元気の第2弾です。相変わらず懐かしい風が吹いています。今回は誰が主人公というか CB450 が主人公みたいな感じなんですよね。
ある日大学生の青年が解体屋でばらされる寸前の CB450 と出会ったことからお話は始まります。
その CB450 はとても程度がよくて、ずいぶんと手入れされていたバイクのようでした。解体屋の人の話では海外に行くことになり、仕方なく処分することになったようだと言うことのようでした。
大学生の彼はすでに GPZ400R を持っていたのですが、あこがれの CB450 を手に入れるチャンスを逃すことはできなく、家財道具を売り払って、CB450 の車検を受けるような状態でした。
ある日お金持ちのおじいさんから是非譲ってほしいと言われた彼は、お金もない大学生の自分のところにあるよりも、そのおじいさんのところに行った方が CB450 のためになるのではないかと考えて、最高に気に入っていたバイクをそのおじいさんに譲り渡すのでした。
そのおじいさんも気に入って CB450 に乗るようになっていたのですが、ある日自転車のロードレーサーで旅をする女の子に、CB450 の不調を指摘されて、やはり自分のところにあるよりも、その女の子が乗った方がいいかもしれないと思い。その女の子にプレゼントしてしまいます。
その女の子がCB450に乗るようになったある日。出先である人たちと出会います。そして自分の乗っている CB450 がはじめに大学生が乗っていてとても大事にしていたことを知るのです。
そして彼女はすべてを捨てて、海外へと出かけていくのでした。CB450とも別れを告げ、解体屋で処分してもらうことになりました。奇しくもその解体屋さんは、大学生の青年がはじめに発見して手に入れたその解体屋さんでした。春の桜の咲く頃彼女は CB450に別れを告げたのでした。
私の場合、昔初めて手に入れたバイクは「一生こいつに乗ってやるぞ」とか思ったこともあるんですが、もうそのバイクはとっくの昔に解体処分になってしまっているでしょうね。だから、作者の言いたいことは少しだけわかります。
そんな出会いにも別れがあって、どんなに気に入ったバイクでもそのバイクと別れることはあるし。機械である以上いつかは壊れて、解体処分になることもあるでしょう。むやみと長く乗ることがそのバイクにとって幸せだと限りはしない、そんな気が何となくするんです。
だから、青春バイクものの小説としては異色の終わり方ですけれども、私にはすごく自然に感じられてしまったんですね。
さわやかささえ感じられる、不思議な終わり方の本です。
風より元気!!〈ぱーと2〉 (講談社X文庫―ティーンズハート) 価格:¥ 377(税込) 発売日:1987-04 |
コメント
コメント一覧 (1件)
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何となく三好礼子で検索したらココに
たどり着きました。「風より元気」
懐かしいですネ。私も当時読みました。
そのころ、Mr.Bikeって言う雑誌の
編集部でアルバイトしてました。
貧乏学生だったな。今はそれなりに
歳をとってハーレーに乗れるように
なったけど、当時のことを思い出して
懐かしい気分でいっぱいです。
そんな気持ちを思い出せてくれて
ありがとうございます。