サターン・デッドヒート2-ヘキシーの星のライオン-と言う副題が付いています、先日 Amazon で中古販売しているのを見つけ、上巻は持っていたのですが下巻を持っていなかったので喜んで購入してしまいました。
実は今回読んで驚いたのですが、上巻はすでに持っていたので読んだ記憶はあるのですが、内容をすっかり忘れていたのです。これは新鮮なまま上下巻を読めたという嬉しさもあったのですが、まるですっかり憶えていなかったので、読んだのはずいぶん前だったのでしょう。「サターン・デッドヒート」の方は普通に新刊を書店で購入したのですが、「サターン・デッドヒート2 上巻」の方は地元の古本屋で購入した物でした。ずっと探してはいたのですが Amazon にて購入できるとは意外でした。便利な世の中になった物です。しかも写真を見れば分かる通り、非常にきれいな状態で、以前から持っていた上巻よりも程度も良くほとんど新品状態でした。
注:ネタバレ注意。この本を読んだ事のない方で、この本をまっさらから楽しみたい人は、本文を読まれない事をお勧めします。
本の内容の前に、一つ。私は最近ほとんど普通の本屋さんで本を購入する事が無くなっています。新刊なら Amazon で購入するか、中古なら Yahoo オークションで探すか、と言うのがパターンになりつつあります(もちろん中古でも上記のように Amazon とか楽天でと言う事もありますが)。なぜかと言うと地元の実店舗には欲しい本が無いからです、注文するとなると下手すると一週間以上かかる事は珍しい事ではありません。それなら Amazon で購入した方が手に入れるのが早いのです、一冊だけの購入でも送料は知れた物ですし、1500円以上なら送料は無料です。
これは地元の本屋さんが無くなってしまう可能性があると言う点では、あんまり良くない事かもしれませんが、本屋さんにも原因の一部があるように思います。もちろん流通も含めてですが。
まず本屋さんに行く時間が無い、行くとなると夜遅くか(私の地元にはそんなに遅くまでやっている本屋さんが無いのです)、後は休日に行く事になります。ところが最近は仕事が忙しいので休日の時間が非常に貴重なのです、それで本が欲しくて本屋さんに行っても肝心の本が無い、となると時間が非常にもったいないのです。それでもと注文を入れると大体一週間はかかります。ところが今度は入荷の連絡をもらっても取りに行く時間が無いのです。
以前に時間に余裕があった時には、何となく本屋さんへ行き、ぶらぶら眺めて興味を引く本があれば購入する。と言うパターンが好きだったのですが、何度行っても面白そうな本が無いとなれば、自然に行かなくなってしまいます。
これが良い事なのか悪い事なのか、今の時点では判断できませんが、私の住んでいるような田舎な所では、ネットショップと言うのは非常に便利なのは間違いないようです。
長々と余計な話を書いてしまいました。
本文ですが、前巻は主に異星人の残した人工物に記されていた暗号を解き、本当のメッセージを記録している物体を土星表面から回収し、さらに暗号を解読して…、と言う内容だったのですが、今回の「サターン・デッドヒート2-ヘキシーの星のライオン-」はそれとはまた一転した内容で新鮮な驚きでした。
上巻が主にヘキシー星へ行くまでの、準備段階から地球側とスペースコロニー側との政治的駆け引き、主人公たる「クリアス・ホワイトディンプル」がヘキシー星行きの船長になるべく行動する過程、人との出会い、ヘキシー星へ行くまでの過程が描かれています。下巻は人間とは非常に似た外観、歴史を持ちながら、まるで違う社会的科学的発展を遂げたヘキシー星人とのファーストコンタクト、とその後の対話、さらには、人間同士の確執等が描かれていて、前巻が、科学的、スペースオペラ的展開を見せるのに対し、「サターン・デッドヒート2」では、人間関係、及び特異的な異星人を通して人間性そのものの描写が光るように思います。
もちろん前巻でも人間関係の妙は描かれているのですが、「サターン・デッドヒート2」ではそちらがメインになっている印象があります。
少し不思議なのですが、なぜこれほどのすばらしい SF 小説がほとんど知名度もなく埋もれているのでしょうかね?、増刷もされていないようですし、やはり作者としてのネームバリューに欠けるのでしょうか?非常に残念です。海外ではどうか分かりませんが、日本では他には作品もないようですし、もっとこういう方には魅力的な SF 小説を書いてもらいたいと思います。
ちなみに、サブタイトルの「ヘキシーの星のライオン」と言うのは「ヘキシーズ」の事を指すのかと思ったら大違いで、これまた新鮮な驚きでした。最後の最後まで飽きさせない素晴らしい本でした。
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