CB感 REBORN 完結

ずっと楽しみにしていた「CB感 REBORN」が終わってしまいました。最近はと言うと例に漏れず単行本のみを読み進めているのですが、東本昌平さんの現在の実力をあらためて感じさせられたシリーズであったと思います。
彼がバイクの漫画を描くのが上手い。と言うのは代表作「キリン」でもって思い知らされてはいるのですが、未来のいわゆる SF 的な描写をこれほど上手く描ける方だとは失礼ながら思ってはいませんでした。

未来の時代背景までキッチリと考えられた作りはリアル感を持って、ある種の圧迫感さえ感じられたように思います。

物語の骨子は「キリン」と共通する物で「バイク」、「少年」、「成長」、「セックス」、「暴力」、「哲学」といったガジェットは共通するものとして描かれています。「CB感 REBORN」においては、これらの特徴に加えて「管理」と「自由」と言う物が特に強調して描かれています。

全体にある種の哲学感が漂っていて、「画」として作り込まれるユニークさとは裏腹に一種独特の感じがつきまとっていて、映画「イージーライダー」を見終わった後に感じられる物、そういう物と共通の匂いが感じられて、東本昌平さんの世界と言う物を特徴づけている。そんな感じがします。

最後はハッピーエンドにスムーズに終了してしまうのですが、もう少し味わっていたかった。そんな感じがして少し寂しいですね。

新しい驚きを持った作品を待ちたい所です。