人類が消えた世界 アラン・ワイズマン

Img215

これまた「404 Blog Not Found」さんで紹介されるまで知らなかった作品。もしたった今人類が消えていなくなったなら、人間にむしばまれた地球は元の通りに戻るのか、それとも?。というもの。
ここ数日この本を読む事に費やしていたために、書き込みも少しおろそかになっていました。

これ早川書房から出ているのですね、もっともこれは SF と言うわけでは無くノンフィクションですので、物語として見ると少し物足りないところがあるのは仕方ないですかね。早川の web にも大きく紹介されていて、時系列的に人類消滅後の地球がどうなるのか、と言った具合に書いてあったので、そういうふうに書かれているのかと思ったらそういうわけでは無いようです(上記 web から抜粋 pdf がダウンロード出来ます興味のある方は読んで見られては?)。

始めのころの章を読んでいる頃は、何となく調和が取れていないような気がして、統一感に欠けるような気がしていたのですが、そういう事では無くて、色々な事象を各専門家にあたり、それぞれの人類消滅後にどうなるか?。と言う事を書き込んで行く事によって読む側の人間に想像させ、もし人類がたった今いなくなったらどうなるのか?。と言う事の本当の意味を感じさせる。そんなことなのだろうと思います。

各専門家の多くは、人類消滅後全く同じでは無いが自然はその旺盛な回復力によって、人類が現れる前の状態に戻るだろうとしています。人類によって作られた多くの有害な物質は残るが、多くの動植物はそれらを乗り越えるか、回避出来るように進化するだろうと言うのです。何千年か何万年か経ってからの事ですが…。

問題はそれが人類がたった今地球上から全ていなくなってからの事だと言う事だと思うのですね。現実的には人類が今消滅する事はあり得ないので(ほとんど)このひどい状態は少しずつひどさを増しながらもうしばらくは続くだろうと言うとこなのでは無いか、そういう気がします。

各種汚染の中で私が特にショックを受けたのは、プラスチックによる汚染の事でした、生分解する事の無い合成樹脂は廃棄され、風化して、あるいは全然風化せずに海に流れ着いているのだそうです、風化してごく微粒子になり、海岸線に大量に流れ着いていると言う事なのです。こういった微粒子になってしまったプラスティックは事実上対策不能な上に海生生物によって体内に取り込まれ、少しづつ放出される環境ホルモンはどのような影響が長期的に起こるのか予想出来ないとしています。

ある意味この本は現代に於いて書かれるべく書かれた本とも言えるのでは無いでしょうか?。アメリカに於いてベストセラーになったとの事ですが、こういう本が「売れる」というのはある意味まだ希望が持てるのかな?、とそう思います。

こういう本をいろんなひとが読んで警鐘を鳴らしてくれれば、予想される悲惨な未来を回避する可能性が少しでも増えるんでは無いかと思いたいです。

人類が消えた世界
価格:¥ 2,100(税込)
発売日:2008-05-09

こういう本が好きなひとにはこちらもオススメ、SF ですが。

ガイア―母なる地球〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
価格:¥ 966(税込)
発売日:1996-02
ガイア―母なる地球〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)
価格:¥ 816(税込)
発売日:1996-02

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

もとメンエス店長、今は別な仕事になりました。
ぽちぽち書きます。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • SECRET: 0
    PASS:
    先日観た「アイ・アム・レジェンド」も同じ趣旨のSF映画でしたが、

    こちらはノン・フィクションなんですね!

    ただでさえ温暖化に拍車が掛かっているのに、このままエネルギーを大量消費してたら

    人類だけでなく 罪の無い動植物さえも巻き添えにして全滅してしまうでしょう、、、

    だったら、いっその事 人類なんて、、、、、などと恐ろしい想像をしてしまいそうです

    映画化されるといいなぁ、、、

    しかし、合成樹脂って厄介な代物ですね

  • SECRET: 0
    PASS:
    sanwagunma さんこんばんは、

    そこん所が問題ですよねー、省エネって言ってもどこまで我慢出来るの?、って聞かれると困っちゃうしねえ。

コメントする

目次